毒舌紳士に攻略されて
あの時のことを思い出すと、やっぱり胸が苦しい。
それでも気になって仕方ないんだ。聞きたくて仕方ない。
言葉の真意を――……。それはきっと……。

「そっか。……めぐみはそれでも坂井が好きなんだね」

私の気持ちなど全てお見通しなのか、確信めいた目で見てくる琴美に、深く頷いた。

「……うん、好き」

胸が苦しいのも悲しいのも、坂井君が好きだから。
悲しくても辛くても、それでも知りたい。坂井君が私のことをどう思っているのかを。

「好き。……好きだけど坂井君がしたことは許せない自分もいるの。それでも坂井君の真意を知りたい自分もいる。矛盾しているんだよね。スマホの電源入れられないのだってそう。坂井君から連絡がないとへこむだろうし、かといって連絡がきていたらいたで、見るの怖いし」

矛盾しているし、考えても考えてもどうしたらいいのかが分からない。

「色々考えちゃうと泣けちゃうしさ。……もうずっと悪循環だよ」

どんなに悩んだって答えが出ないのだから。

思わず頭を抱えてしまう。
それなのに琴美は急に笑い出した。

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