毒舌紳士に攻略されて
頼ってって言ってくれたのは、嘘だったのだろうか?

「もーそんな顔しないの!いい!?恋愛って時に人を成長させるものなのよ?なのに全て私に頼り切っていたら、意味ないじゃない。それにめぐみはいつもバカ真面目に考えすぎなのよ。……答えは意外とシンプルで簡単なものなんだから」

そう言うと琴美は『頑張りなさい』と言わんばかりに、何度も背中をバシバシと叩いてきた。

「年明けには良い報告が聞けることを楽しみにしているから」

「……うん」

返事はしたものの、正直そんな報告ができる自信はない。

「じゃあまた年明けにね。良いお年を」

呑気に手を振ってさっさと帰っていってしまった。
そういえば琴美、明日から健太郎君と海外に行くって言っていたっけ。
いいな。彼氏と海外で年越しなんて。羨ましすぎる。

空になったカップを片付ける気力も失くし、椅子に腰かけた。

琴美はシンプルで簡単だ!なんて言っていたけれど、私にとって恋愛はシンプルでも簡単でもない。
難しくて分からない。
そしていつも苦しくて悲しい思いをしてばかりだ。
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