毒舌紳士に攻略されて
月一の同期会が楽しみで仕方なかった。
会社ではあまり見かけることがなかったし、正直彼女がどんな人なのか知らなかった。だから気付かれないよう、何度もめぐみを見つめていたな。
めぐみは笑うと可愛くて、気遣いが出来る子で、なにより友達思いの子だった。
それに気付けた時は、嬉しかった。
やっぱりめぐみはずっと前から思い描いていた通りの子だったのだから――……。

つい昔の記憶を辿ってしまっている間、裾を引っ張られ我に返る。

「めぐみ?」

引っ張ってきたのはもちろんめぐみで、なぜかモジモジしながら俺の様子を窺っていた。

「あの、さ……赤くなるに決まっているから」

「え?」

より一層裾を掴む力を強めると、めぐみは視線を泳がしながらも言った。

「だから普通に嬉しかったから。……なんか、体調悪い時に会わないとか何気ないことだけどさ、大事にされている気がして。……ありがとう」

「……っ!」


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