毒舌紳士に攻略されて
本当に悩み相談室があるのなら、今すぐにでも駆け込みたい気分だ。

感情に流されるがままめぐみの腕を引き、その小さな身体をこれでもかってくらい抱きしめると、めぐみからは戸惑いにも似た声が聞こえてきた。

「ちょっ、ちょっと坂井君?」

「なに?」

「なにってここ会社の駐車場!……誰かに見られちゃうよ」

どうやらめぐみは誰かに見られることを、警戒しているようだ。
そんなの今更なのに。とっくに俺とめぐみが付き合っていることなんて、社内中に知れ渡っている。

「別にいいじゃん。見たい奴には見せてやれば」

めぐみの温もりをもっと感じたくて更に抱きしめる力を強めたものの、「そんなの無理!」と大きな声が返ってきた。
だけど所詮声だけで、身体は反発していない。
決してめぐみは俺から離れようとしない。それがまた俺を嬉しい気持ちにさせる。
それに気を良くした俺は、欲望のまま言葉を口にした。
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