毒舌紳士に攻略されて
恋愛に関する捉え方とか、価値観が違うのかもしれない。
だからさっきの琴美の気持ちを理解出来なかったのかもしれない。



「めぐみちゃん、毎回ごめんね」

「いいえ！」

程なくして琴美の彼氏、健太郎君が到着し、みんなより一足先に帰ることになった。
いつものように見送ると、健太郎君は申し訳なさそうに頭を下げてきた。

「琴美、あんな性格だから会社で女性社員とうまくやっていけるか不安だったんだけど、めぐみちゃんがいるから安心だよ」

そう言うと健太郎君は助手席に座り既に眠ってしまている琴美を、愛しそうに見つめた。

「いつも言ってるよ。めぐみちゃんが同期で良かったって」

嘘……琴美が？

思いがけない嬉しい言葉に、ジンときてしまう。

「これからも迷惑かけるかもしれないけど、よろしくね」

「あっ、はい！」

慌てて返事を返すと健太郎君は嬉しそうに微笑み、運転席に乗り込むと車を走らせていった。
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