毒舌紳士に攻略されて

車を見送りつつも、つくづく琴美が羨ましいと思えてしまう。
あれほどまでに愛されていて、何を不安に思うのだろうか？不安に思うことなど、何ひとつないと思うんだけど……。
それはきっと本人にしか分からないことなのかもしれないけど。

ゆっくりと店内に戻ると、盛り上がりはピークを迎えていた。
琴美に付き添っている間にラストオーダーを迎え、同じノンアルコールのカクテルを注文してくれていたようで、それを受け取り空いている席に腰を下ろした。

先ほどまで座っていた席は、すっかり占領されてしまっている。
飲んでいない組は早々とご帰宅され、今も残っているのは毎回お馴染みのメンバーかもしれない。

到着時にみんなからお金はちゃんと預かっているし、後は支払いを済ませて代行必要な人の分を手配すれば幹事業務は終了。
二次会へは毎回行きたい人同士で勝手に行く流れになっているし、幹事は関係ない。