愛を教えてくれた君に
動く気持ち
-Nico-
誰かにおんぶしてもらったのは初めてで、
山田くんの背中は広くて温かく涙が出そうになった。
もう春だが夜になると少し寒いはずなのに、
今日は寒く感じなかった。
苦しい。なんだろこの温かさ。
「う。。。ぐすん」
つい声を出してしまった。
山田くんは気づいてるはずなのに
気づかないふりをしてくれた。
駅に着き彼は私をおろし腕を持ち支えた。
彼は無言だが優しさは伝わってくる。
電車に乗り席がひとつしか空いてなく、
私を座らせ。私の前 に立ち。外を眺めている。
何を考えてるんだろ。
「ねぇ…。」
私の声は電車の音にかき消された。
なんなのこの気持ち。
怖い。勝手に涙が出そうになる。
初めてすぎて。わからない。
誰か教えて…。