愛を教えてくれた君に

ーKaiziー


なぜか加藤は泣いた。

ただ俺は何も言えなかった。

俺は気づかない振りをするしかなかった。

ただいつもニコニコ笑ってる奴が流す涙は、

とても綺麗で。俺は余計になにも言えなかった。

加藤はなにを抱えてるのか…。

俺も気になって仕方なかった。

だが俺はこれ以上踏み切ったら

俺の心は持たない。

俺は二度とあんな思いはごめんだ。

降りる駅に着き、加藤の腕を掴んだ。

加藤の肩が震えているのがわかる。

改札を出て再び背中を向けると乗ってき た。

「ご…めんね」

この一言だけ言ってきた。

ルートは先生にもらったメモで知っていた。

俺の家の近くの高級マンションだった。

俺はそこから15分くらいの一軒家。

加藤は知らない。

「着いたぞ。」

「ありがとう。」

「親呼べよ。一人じゃ無理だろ。」

「大丈夫だよ。」

また無理して笑ってる。

「親家にいないのか?」

「大丈夫だよ。山田くん、気を付けてね。」

加藤はふらふらと1人で歩き始めた。

世話の焼けるやつだな ・・・

「ほら」

「え…?」

「乗れよ。」

「いいよ。」

「早く乗れ。」

「ごめん…ね。」

乗ってきてもそんなに負担にならない。

それを加藤は気づかない。

自分がどれだけ軽いかわかってない。

「何階だ?」

「21階」

「最上階か」

「うん。」

家の前につき加藤は降り。

指をドアにつけた。

「それだけで開くのかよ。」

「うん。」

アイツはドアを開けると真っ暗な部屋が見え た。

「やっぱ親いないんじゃん。」

「良かったら、お茶でも飲んでいって。」

「いいよ。早く寝ろよ。また明日。」

「ここまでごめんね。気を付けて。」

加藤がいつも寂しそうなのは親のせいか?

俺はこの時思った。確証はないが。

クソ・・。なんで気にしてんだよ。

俺はもう決めたんだ。アイツが幸せになるまで俺はアイツから離れない。
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