イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「俺の家だよ。本当に何も覚えていないんだね」

 この人、何でいつも私の考えてる事がわかるの?

 読心術でも出来るの?

 瑠海は相変わらず笑みを浮かべ余裕の表情。

 でも、私にはそんな余裕ない。

 今さら後悔しても遅いけど、昨日調子に乗って日本酒あんなに飲むんじゃなかった。

「帰ります。バスルームどこですか?」

「ドアを開けて左側の突き当たり」

 ベッドを素早く下りると、ハンガーごと服をつかんでバスルームに駆け込んだ。

 心臓がバクバクしている。

 早く着替えたいのにボタンが上手くはまらない。

「ああ、もう!一体どうなってるの?」

 焦れば焦るほどうまくいかない。

 こんな失態を犯した自分にブチ切れながらもなんとか着替え終わり、先程いた寝室へ戻る。
< 139 / 311 >

この作品をシェア

pagetop