イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「副社長ともなるとサンプル品いっぱいもらえるんですね」

 私はわざと感心したように言ってみた。

 以前もらった財布も本当はサンプル品ではないかもしれない。

 小銭も出しやすくてとても気に入ってるけど、そう言えば感想伝えてなかったな。

「副社長だといろいろ役得がある。副社長夫人になってみる?それが嫌なら公務員の嫁とか?一生公務員だし路頭には迷わないよ?」 

 何を言い出すかと思えば……。

 私相手に何のゲームをしたいんだ?

じっとりと瑠海を見る。

「その公務員って王族って落ちでしょう?王冠にもティアラにも興味ないですから。夢と現実は違います。ちょっとコンビニにも行けないような不自由な生活は嫌です」

「桃華を口説くなら食べ物の方が良さそうだ」

 私の怪我の手当てをしながら瑠海が微笑する。

「それ、瑠海の得になります?」
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