最低王子と恋の渦






キャッキャと三鷹くんに対する黄色い歓声がチラホラ聞こえる。




こういう場所に来てみると、三鷹くんの人気がどれくらいすごいのか改めて実感するわ…。









「三鷹も彼女作ればいいのになー」



「余計なお世話だね」







ご飯を食べながら隣同士な和久井くんと三鷹くんはそんな話をしている。



私の両隣は友也と菜々で、向かい側には三鷹くんが座っていた。








「俺が三鷹だったら絶対今頃付き合ってるわー」



「好きでもない人と付き合って楽しいの?」



「…それ言われちゃあれだけどさー!」








自分の好きになった人と付き合いたいって三鷹くんが言ってたのを思い出す。



…結局好きな人って誰なのかな。









「美乃、そのパン一口ちょうだい」



「ん」









隣の友也がズイと顔を突き出してきたので私は先程まで食べていたパンを友也にかじらせた。



モグモグとパンを頬張って、友也は「美味い!」と人懐っこい笑顔を見せる。



それを見て私も思わず微笑むのだ。






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