最低王子と恋の渦
「……川平と田中さんって付き合ってるの?」
きょとんとした顔で聞いてきたのは和久井くん。
私はぎょっとしてブンブンと首を振った。
「付き合ってはないけどっ、幼馴染!」
「あー、そういうことかー!」
なんとなく、和久井くんは付き合うとかそういうのに敏感過ぎる気がする。
まあ普通なのかもしれないけど。
と、ふとこちらをじっと見つめる三鷹くんを見た。
バッチリと目が合う。
「……っ?」
じーーっとしばらく目が合ったままで、私も逸らすタイミングを逃してあわあわと戸惑っていた。
隣では向かい同士の友也と和久井くんが親しげに話している。
菜々は携帯をちょこちょこ見ながら黙々とご飯を食べていて。
完全に私と三鷹くんには誰も気付いていなかった。
「…み、三鷹くん?」
「何田中さん」
「どうしたんですか…?」
「何が?」
「いや何がって…その…」
「田中さん俺の家来る?」
「………………」
…は?