最低王子と恋の渦





「何?なんの話?」







三鷹くんと私の顔を交互に見ながら友也は言う。




そこで私はハッとした。




…もし、私が三鷹くんの家に一人で遊びに行ってたら…友也はやっぱ悲しむのかな。


嫉妬とか…するのかな。








そんなことを考えている私を見て、三鷹くんは友也の顔を見た。








「田中さんに家に遊びに来ないか誘ってたとこ。川平も来る?」










え?


友也も誘った?






あまりに意外だった為、私は思わずきょとんとしてしまった。



そして友也も驚いている様子。









「え!?俺も行っていいの!?」




「うん」




「行く行く!三鷹ん家行きたい!」




「え、川平くんも誘うの?なら私も行きたーい」




「俺も行きたいんだけど!」








と、便乗して菜々と和久井くんまで三鷹くんに言い寄っている。



菜々はともかくとして和久井くんとか三鷹くんあんまり仲良くないんじゃ…。








「和久井は部活じゃないの?」



「…あ、忘れてたわ」








ということで結局和久井くん以外の三人で三鷹くんの家に遊びに行くことになってしまった。




……まさか三鷹くんが自ら家に誘うなんて…。



秋辺りでは考えもしなかったことだ。




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