最低王子と恋の渦






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放課後。


私達は本当に三鷹くんの家に遊びに来てしまった。





三鷹くんの家は外装も内装もとても綺麗で、大人っぽい雰囲気が溢れている。



リビングに通された私達は三鷹くんに促されるがままソファへ腰掛けた。








「とくにやることもないけど、テレビでも観ててよ」









そう言ってキッチンの方へ消えた三鷹くん。


友也はそれを聞いて早速大きなテレビの電源をつけた。






確か三鷹くんは父子家庭で、お父さんと二人暮らしのはず。



なのにこんなに綺麗な家に住んでるなんて…。



すごいな。








と、三鷹くんがお茶とお菓子を持ってリビングに戻って来た。








「あ、ありがとう」



「いえいえ。まあくつろいでていいよ」








思えば思うほど今のこの状況は異様で。


この三人であの三鷹くんの家に遊びに来ることになるなんて誰が予想しただろうか。









「あ、ドラマ再放送してる!」



「これ私観てたわー超好きだった」



「澤村さんも観てたんだ!いいよなーこれっ」



「ああこれか。主人公が記憶なくしてるやつでしょ」



「え、三鷹も観てたの!?」



「暇だったから」









まじかー!と嬉しそうに友也が騒いでる中、私も割と驚いていた。



…意外だ。

三鷹くんもドラマとか観たりするんだね…。






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