最低王子と恋の渦





「――…この記憶をちょっと思い出すとこ好きなんだよなー」





何もすることがなかった私達は4人でソファに座りお菓子を食べながらドラマの再放送を視聴していた。


友也はドラマの感動シーンにうんうんと頷いている。




私もなんだかんだこのドラマは観てた。








「川平くんはあの男の子のライバルに似てるね。犬っぽいとこが」






と、不意に菜々がそんなことを言い出す。

友也はそれを聞いて「え!?」と菜々の方を見た。







「そうなのか!?」



「あー確かに友也っぽいね」



「でしょ?そんでもって主人公に想いを寄せるあのイケメン君は三鷹くんだね」



「は?なんで俺」



「イケメンだから」



「顔だけかようざいな」



「…まあ確かにあの優しいイケメンとは三鷹くん程遠いから…」



「何それ田中さん。俺が優しくないって言いたいの?」



「いやぁ…」







そんなやり取りをしていると、ドラマはエンディングを迎えた。



そして次回予告が流れ、次で最終回だと告げる。








「これ最終回も連続で放送するみたいね」



「観よーぜ!ここまできたら最後まで観よーぜ!」









友也が嬉しそうに言うもんだから、誰もそれを否定する人はいなかった。


というか割と菜々も観たそうだったし。






と、続けてドラマが始まったところで、私はスッとソファから立ち上がった。





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