最低王子と恋の渦
「わ、和久井くんなんかテンション低くない?」
「…え?」
私が心配に思って尋ねると、和久井くんはきょとんとする。
もしかして熱でもある?と思った私は和久井の顔を覗き込んだ。
「!」
「…ん?あ、やっぱ熱あるんじゃない?」
「えっ、な、なんで?」
「顔なんか赤いよ」
私がそう言うと、和久井くんはぎょっとして更に顔を真っ赤にさせた。
…!?
な、何事!?
「ね、熱!かも!」
「…保健室行って来たら?」
「そ、そうする!」
そして和久井くんは体調が悪いとは思えないスピードで去って行ってしまった。
私と菜々はその姿を呆然と見送る。
「…和久井くん大丈夫かな」
「……」
「…?菜々?」
「……これは面白くなりそうな予感」
「は?」
ニヤニヤと気持ち悪く笑う菜々を横目に、私は首を傾げた。