最低王子と恋の渦











「…で、未だに川平くんとはちゃんと話せてないわけか」



「うん…」






種目はバスケだったため、私達のチームは現在休憩となっている。

今日はちゃんとジャージ持って来てるからあったかい。


まあそれが当たり前なんだけど。





「友也自身からこんなに避けてくるなんて初めてのことだし…なんかどうしたらいいか分かんなくて」



「まあ未遂だけどキスしようとしちゃったもんねー。三鷹くんいるのに」






あれから友也とは話せていない。

クラスは一緒だけどなかなか話せる機会がないし、そもそも友也が私のことを避けている。


避けてること以外はいつもと変わんなくて、やっぱりあんなことがあったし気まずいのかな…。






「…菜々」



「ん、何?」



「トイレ行きたい」



「はよ行って来い」






菜々は真顔でしっしっと私を動物のようにあしらって、私は少しイラッとしながらもトイレに向かうことにした。



男子も女子も試合を行っているため、私は邪魔にならないように体育館の端を通って出入口まで急ぐ。

男子が出入口側で試合をしてるからそこを通らないといけないのだ。



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