最低王子と恋の渦
「な、なんで顔隠すの!?」
「いや…別に」
「隠さなくてもいいじゃん!」
すると、和久井くんはグイッと私の掛け布団を引っぺがした。
ちょ、ちょっと!
「…え…、た、田中さん顔赤い」
「は!?」
ガバッと体を起こし、私は俯いて手で顔を覆った。
やばい恥ずかしいって思ったら余計に顔が熱くなる。
なんで和久井くんにこんな顔見られなきゃならないんだ。
「か、隠さないでって!」
「…無理」
「だってなんか、すごいその顔可愛いし!」
「……」
…………え。
ちょっと待って。
今この人、〝可愛い〟って言った?
……まじで?