続♡プリンセス☆ロード



フッと、足の力が抜けその場に座り込む。
今になって震えがやってくる。



「大丈夫か?」

「レン…、うん…。ごめん…」

「きっと、紗南が言ったことが真実だったんだろうな」





レンは、そう言うと仁が消えた場所を見つめた。
そうだ……。



「ねえ、どうしてソウシは…」




思い出したら何か分かるかもって思ったけど、わからない。
どうしてソウシが牢になんて入っているの?

私が問いただすと、レンは困ったように目を伏せた。




「紗南が…仁の手によって元の世界に戻された後…。仁がソウシに向かって言ったんだ」

「え…?」






―ありがとう、おかげで助かったよ。ソウシ







「ウソ…」

「…俺だって、信じてない。でも…あいつは、肯定もしなければ、否定もしなかった。問いただす俺とミナトにただ、謝るだけだった」

「…そんな」

「…あの使用人の女が、部屋に来た時の事、覚えてるか?」

「ユキちゃん…?」

「あの時、ソウシは女が走り出す前に“ユキ!”と叫んだ」





そういえば…。
あの少し前、ソウシがユキちゃんと何か話しているのを、私はみてるんだ。





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