晴れ時々@先生の妹【第2巻】
残りの1通は、中村先生の足元に落ちていたのだった。
――白い紙くず。
中村先生が身を屈めて拾おうとする。
“しまった!”と気づく二戸 梨杏。
ハッ、読んじゃ駄目ーー!
クシャっとしたしわがついている幾つもの折り目を指先で少しずつ広げながら読んでいる中村先生、無言のまま眉毛を少し上に上げる。
『梨杏へ。もしかして、良い男でも、できたー??化粧をしていない理由を教えてー!(>ε<)ちかより』
――あぁ、もう終わりだー、私。
両手で顔を覆っている二戸 梨杏。
クラスの生徒達がひそひそと話をしながら二戸 梨杏と中村先生を見ている。
手紙の内容を把握した中村先生が小さな白い紙をもう一度綺麗に四つ折りにして、白衣のポケットの中へしまった。