晴れ時々@先生の妹【第2巻】




二戸 梨杏は、17通の不愉快とも呼べる内容の手紙を中村先生に見られてはまずいと思い、慌てて両手でかき集めた後クシャクシャと小さく丸めてそれを上着のポケットの中にそっとしまった。






何もなかったかのような顔をしている二戸 梨杏。






中村先生が二戸 梨杏の顔をじっと見ている。







――コイツ、何か、隠そうとしているな?






「見せろ!」





「別に何もないよ」






――何もないこと、ないだろう?





俺が近づいた瞬時、お前が急いで白い紙くずを丸めていたのが見えたんだぞ。





瞳を潤ませて眉毛が垂れ下がり、困った顔をしている二戸 梨杏。






――先生、本当に何もないの。






早く私の側から通り過ぎて行ってよ。






実は、二戸 梨杏が丸めた白い紙は16通だけだった。


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