晴れ時々@先生の妹【第2巻】





中村先生が生徒に背を向けながらどんどん黒板に字を書いていく。





――先生、字を書くスピードが速いね。






頑張って書いてるけど……、私、全然ついていけないよ――。




焦る、焦る、気持ちが凄く焦る。





半べそ状態の二戸 梨杏が必死に黒板の字をノートに書き写している。






すると、突然二戸 梨杏の後ろの席の生徒が二戸 梨杏の背中をポンポンと軽く2回叩いた。




――ん、なんだろう?






二戸 梨杏が手を止めて体を反転させて後ろを向いた。






中村先生に見つからないように声を潜めながら話す。




「どうしたの?」





「授業中なのに、さっきから梨杏宛に手紙がたくさん回ってきて、……ほらこんなに。先生に見つからない内に、早く受け取って……」






「うん、わかった。ありがとう」





二戸 梨杏が両手でそっと受け取る。


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