シンデレラは硝子の靴を
―勿体無いじゃない…



流行の最先端に居る、花の高校生である筈の駿にだって買ってあげられていないものを。



もしかしたら、この男は、スマホが鳴れば壊すっていう生活を毎日送っているのではないだろうか。




沙耶の貧乏精神は、時折やる気に繋がる。




―なんか、ムカついてきた。こうなったら徹底的に起こしてやるわ。




沙耶は意を決して、窓側に行き、カーテンの裾を引っ張った。



シャッ、と小気味良い音と共に。




秋らしい金色の光が、視界を明るく照らした。




眩しい光に目を細めつつ。



こんな大きなカーテンを引いたのは、小学生の時の体育館でやったお遊戯会以来だな、とどうでも良いことを考えた。



その時。




ベッドで眠っていた石垣が、むっくりと身を起こす。






「・・・・」





普段立てている栗色の髪が、サラ、と揺れた。



相変わらず目は開いていない。





沙耶は腰に手を当て、石垣の次の出方を、じっと見守る。




ベッド以外は、何もない、だだっ広い部屋なのに。


何をどうすれば、怪我に繋がるというのか。




恐らくは―
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