シンデレラは硝子の靴を
―あ、そうだ。
突然閃いた沙耶は、携帯を取り出して、耳に当てた。
コールの回数は、長い。
けれど、頼みの綱は他にない。
「あ、あゆみ!?」
《何よー…こっちは遅番で帰ってきて寝たばっかだっていうのに…》
やっとのこと出た相手の声は、不機嫌だ。
だけど、構ってはいられない。
携帯の画面の隅に表示されている時刻は、既に9時を廻っていた。
「ごめんごめん!ちょっと聞きたいことがあって!教えてもらいたいんだけど!」
言いながら沙耶は自分の掌にボールペンで書き殴ったメモを読み上げる。
《何、それ。全部話題沸騰中の所ばっかりじゃん…よく沙耶知ってたね。》
あゆみが面食らったかのような反応を示した。
「それはおいといて。今言った店、何処にあるか全部教えて!」
《はぁ!?》
沙耶は昔から負けず嫌いだ。
一度売られた喧嘩はちゃんと買う。
《全部教えてっつったって…沙耶は今どこに居るのよ?》
「えぇと…どこだっけ…ブランドの店がいっぱいある所!」
沙耶は元気よく答える。
《えぇ!メインストリートじゃない。なんだってそんな所に…今聞いた店は、申し訳ないけどてんでばらばらな位置よ!?》
「いいの!予想はしてた!」
《???》