シンデレラは硝子の靴を
石垣が考えることだ。


沙耶にとって簡単な内容にする訳がない。



「ごめん!色々あって、急いでるんだわ。あゆみのそのスマホとやらを駆使してなんとか最短ルートを出してくれない?!」




あゆみが混乱しているのはわかっていたが、説明している暇は残されていない。




《はぁー???最短ルートっつったってねぇ…、どこの店もかなり並ぶと思うよー?》




あゆみが困惑を露わにするが。




「人助けだと思ってお願いねっ!5分でよろしく!メールで簡潔に送ってくれるとありがたい!」




沙耶は早口でそう捲し立てると、返事を待たずして、通話を終わらせた。





「はぁー」




溜め息を吐き出して、沙耶は空を見上げた。




都会の空は狭い。



その上、今は厚い雲に覆われて、重圧感たっぷりになっている。



沙耶の心に圧し掛かってくるようで、息苦しく感じる程だ。





―どうしてこんなことになったんだろう。





いくら考えても、沙耶には答えが見出せない。





ポタリ。





「あ。」




冷たい雫が、沙耶の頬に落ちる。



右手でそれを拭うと同時に、携帯が鳴った。






「ツイてない。」





少しずつ強さを増していく雨に舌打ちしながら、沙耶は待ち人からのメールを確認する。



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