シンデレラは硝子の靴を
事務所のドアがパタンと音を立てて閉まると同時に、薬局長が沙耶に向き直った。


ブラインドの隙間から、秋の陽射しが差し込んでいる。



そのせいか、薬局長の顔が影になってしまう為、沙耶は目を細めた。





「あのね、、、突然のことでホントに申し訳ないと思うの。」





薬局長は眉を下げて、躊躇うように口を開く。




「何ですか…?」




言いようの無い不安が沙耶に押し寄せてきて、思わず眉を顰めた。




「秋元さんがよくやってくれてるのを私も皆もわかってる。できるならずっとここで働いて欲しいって思ってたんだけど…」




ドクン、と心臓が大きく音を立てた。




―薬局長は一体何を言おうとしてるんだろう。




先程から濁らせているその先が、予想できるだけに怖かった。




薬局長は困ったように俯き、沙耶と視線を合わせることなく宣告する。





「今日付けで、ここを辞めてもらうことになったの。」



「?!どういうことですか!?」




反射的に、問い返していた。



薬局のバイトは他と比べて特に時給が良い。


今この仕事を失うことは、かなり痛手だ。



その上、自分のここでの働きは、悪いものではなかった筈だ。




なのに、何故。



こんな突然。
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