シンデレラは硝子の靴を


沙耶の怒りは最もだし、不当解雇だと訴えられても仕方ない。


けれど、所詮はパート・アルバイトの括りだ。



「…申し訳ないと、思ってる。でも、、、私の力ではどうにも…」




薬局長の苦渋に満ちた表情を見て、沙耶ははっとする。


彼女自身の決定ではないようだったからだ。




「何か、クレームでもありましたか?私、、お客さんに何か取り返しのつかないミスでも?」



沙耶の問いに、薬局長はただただ、首を振るばかりだった。



「…じゃ、どうして…」




「ごめんなさい。本当にごめんなさい。」




何度も繰り返し謝って頭を下げる上司に、沙耶は言葉を失ってしまう。



「理由は、私にもわからないの、、」



かすれた声で呟くように言いながら、薬局長は頭を上げなかった。



―どうして?



上から出された指示であることは明白だった。



問い質す矛先を失った沙耶は、ただ、そこに立ち尽くす。



頭の中では、家計簿が広がっていて、今月のやり繰りにマイナスが記入された。




―もっと、節約しなくちゃ駄目か。



沙耶は無意識に歯を食いしばっていた。



無情な決定に耐えるかのように。
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