シンデレラは硝子の靴を



だが、この日はそれだけでは終わらなかった。



本屋も、ファミレスも、コンビニも。



行く先々で、契約が打ち切られ、沙耶はあっという間に無職になった。



共通するのは、どれも理由が不透明であること。




さすがに最後のコンビニでは店長に掴みかかんばかりの勢いで、お願いだから雇って欲しいと懇願したが、その努力も虚しく散った。



どの店も、働くのは今日で最後だった。




翌朝6時。



「お疲れ様でした…」



入れ替わりの馴染みのおばさんと顔を合わせて、タイムカードを切ると、沙耶はふらふらとバックヤードに向かう。



「沙耶ちゃん、どうかしたの?」



その元気の無さに、おばさんが心配そうに振り返った。




「いえ。。別にどうもしてないです。。。大丈夫です。」




沙耶は精一杯笑って、軽く頭を下げ、バックヤードに引っ込んだ。






今ここで、自分の気持ちを打ち明けたところで何になると言うのだろう。


言わなくても良い事を、きっと言ってしまう。





相方の学生も気遣うように沙耶を見つめたが、沙耶は居たたまれない気持ちで、着替えも早々にコンビニを出た。




―どうしよう。この先、どうしよう。




色々、散々だった。


気が乱れるというよりは、愕然としてしまう。






一体自分が何をしたと言うので、神様はこんな仕打ちを赦されるのか。




自転車のカゴに乱暴に荷物を突っ込み走り出すと、完全に昇った陽が、寝不足の目に眩しい。




―駿に何て言ったらいい?母に何て伝える?

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