シンデレラは硝子の靴を
坂月は後ろには乗ろうとせず、助手席に座った。
広い後部座席に、沙耶は身を縮めた。
これから何を言われるのだろう、と不安だった。
土曜の夜のことを回想し、沙耶は憂鬱になる。
あゆみにも連絡しなければならないのだが、まだしていない。
その上、あゆみはまだ休暇中だ。
もしかしたら、従業員から話がいって、直ぐに連絡がくるかもしれないと思っていたが、あゆみからは音沙汰なかった。
一度だけ「スーツのサイズ、大丈夫?」とだけメールが着たけど。
「今日は、何かご予定がありましたか。」
ぼんやりしていた沙耶は、坂月の問いにはっとする。
「あ、いえ、、ありましたけど…なくなりましたから。」
バイト三昧だった筈が、あっという間に無職になってしまった。
沙耶は少し項垂れた。
「あの、、長くなりそう、、なんですか?」
「あぁ…そう、ですね。出方次第、ですけど」
坂月が意味深なことを言う。
「そんなに、怒ってるんですか?なんか、金銭的にもマイナスついちゃったのかな…」
「うーん、、、問題はそこじゃないみたいですけど」
先程から坂月の言うことが、沙耶はいまいちよく理解できない。