シンデレラは硝子の靴を
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沙耶が携帯の着信に気付いたのは、その日、夜遅くなってからだった。




「あ、やばい。そういえば、ちゃんと連絡しなかった…坂月さん伝えてくれたかな…」




駿に連絡した際は、病院の公衆電話を使った。


電源を落としてあった携帯は、鞄に容れっぱなしになっていた。


午後8時を過ぎた今、病院からコンビニに行く途中でそのことを思い出し、電源を入れてみたら石垣の着信がいくつかあって、さてどうしたものか、と道の途中で立ち止まる。




最後の着信は夕方で、ちょうどドタバタしていた頃だったからなぁ、と画面を見ながら思い返した。




―坂月さん、なんか、ちょっと変だったような…



坂月にとって、沙耶と石垣の関係は興味深いのかもしれないが、どうでも良いと言えば、どうでもよさそうな内容だと思う。




「あいつに、連絡取りにくいなぁ…」



画面にぽたり、止まない雨の粒が落ちた。


石垣のことを、避けてしまっている自分がいる。


いつも通り、普段通り、を、装おうとすればする程、固い動きになってしまう。


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