シンデレラは硝子の靴を





「着きましたよ?」



坂月の声に、沙耶は我に返った。


見れば、坂月が開ボタンを押して、沙耶が下りるのを待っている。



「あ、す、すいませんっ!!!」



沙耶は自分の馬鹿!と罵りながら、慌てて下りた。



大きなエレベータホールを出た先には、ゲートがあり、その先に自動ドアが見える。




勿論勝手に開いてはくれず、坂月がモニターのようなものに手を翳(かざ)して初めてゲートが開いた。




「行きましょう」



坂月は沙耶を気遣うように振り返って、小さく頷いた。




ピカピカと光る大理石の床。



自動ドアの先には、明るいフロアが広がっており、入って直ぐの所にダークブラウンの大きな秘書机。


その上にはパソコンと電話が置いてあり、椅子はリクライニング付きだった。


傍に、待機する客人用なのか、黒いソファとテーブルが置かれている。




しかし、秘書は不在だ。




―社長が居るっていうのに、なんで、秘書が居ないんだろ。早い時間だから…そういうもんなのかな。



絶えず緊張はしているが、どこか夢を見ているような気持ちで沙耶は坂月の後を付いていった。







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