シンデレラは硝子の靴を
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眠れない。



眠れない。



あいつが初めて家に来るって知った夜も眠れなかった。



お陰であいつが迎えにきた時はすっかり眠り込んでしまって、派手に起こされたり、寝不足で最悪だった。



けど、反対に。



あいつがもう来ないと知った今も、また眠れない。




『辞める』



雨の中そう言い放った顔が、昔のあいつと重なった。




どうしたら良かった?



どうすれば手に入った?



どうしたら―



どんなに嫌いでも、俺は良いから。



だから、傍に居て欲しい。



でも、思い出して欲しい。



思い出すまで、傍に居たい。



思い出したら、そこからまたやり直したい。



あの時あのまま掻っ攫えるほどの力が自分にあったなら。



結果は、変わっていたんだろうか。



でも、今は、まだ諦めたくない。



いや、諦められない。




だって、やっと見つけたのに―。

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