シンデレラは硝子の靴を
「それで、、実家を出ていた姉に訊きに行ったんです。」



自分は、一体、どこの誰なのか。


どうして、養子に出されたのか。


どうして、坂月家に来たのか。



最初、深雪は頑なに口を開こうとしなかった。



夫である肇も、知っているに違いなかったが、やはり教えてくれなかった。




だから。




母の口からそうした言葉が出ること。



戸籍を突きつけられたこと。



ずっと言わないで黙っていた事全てを伝えて。





『どうすればっ…良いんですかっ…』




姉の前で。




苦しくて、泣いた。



限界だった。



大人しくて、聞き分けが良くて、感情を出さないように振舞っていた自分の悲鳴は、もうずっと心の中で響いていた。




『もっと、、、苦しむことになるけれど、覚悟はできているの?』




見かねたように、深雪がそう声を掛けて。




それに対して、自分は頷いた。




「それで、、知ったんです。」





23年前に起こった出来事―
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