龍乃一味のカオスな学園生活

スタスタと、無人の野を往くが如く鎌瀬戌の校庭を歩く臥龍。

「んだテメェはっ？」

「どっから来やがったんだゴルァッ！」

「天神かっ？天神の殴り込みかっ？」

校舎の窓から臥龍の来訪を見つけた鎌瀬戌のヤンキー達が、ワラワラと押し寄せてくる。

その数、数十人。

「…おらんな。花は何処に行ったのだ」

視線を走らせるも、花の姿は見当たらず。

そのまま歩いて行こうとする臥龍。

「何シカトこいてんだテメェッ！」

無論みすみす校内をうろつかせるつもりはない。

臥龍に摑みかかろうと、数十人が一斉に襲いかかるが。

爆ぜた。

数十人の人混みに臥龍が埋もれたと思った瞬間、その数十人が爆発に巻き込まれたかのように吹き飛ばされ、ある者は校庭に叩き付けられ、ある者は植え込みに頭から突っ込み、ある者は空き缶満載のゴミ籠に尻からハマって身動きが取れなくなった。

そして臥龍はというと、掠り傷はおろか、体にも衣服にも、指紋一つ付いていない。