強がりウサギの不器用な恋
心底わからないという表情の海藤さんに、私はキュっと唇を引き結んだ。
「だって、私が来る意味、ないですよね?」
どう考えたってそうだ。
商談はいつも社長がしていたから、私は知らない。
英語だって聞き取れないし喋れない。
今日、海藤さんは英語でスラスラと会話をしていたけれど、私はそれを傍で聞いていても、何の話をしているのかすらわからなかった。
そうなると、何故あの場に自分がいたのか、わからなくなってくる。
自分が役立たずで不必要な人間だと思い知らされるには、十分な環境だった。
「真吾は……気を利かせたんだろ。
俺たちが現地で困らないように、メールで先手を打っといてくれた。
それを操に言えば、俺一人で行けって言うだろうと思って、言わなかったんだと思うけど?」
「なんか……そういうのが全部ムカつくんですよ。
見透かされてるっていうか、先読みされてるっていうか。」