強がりウサギの不器用な恋

「別に私、海藤さんのこと嫌ってはいませんよ。苦手意識はありますが。」

「じゃあ、海外で開放的になって、その苦手意識とやらを取り除こうか。」

「開放的になる意味がわかりません。」


間髪入れずに言葉を返す私を見て、隣にいる社長が声を押し殺して笑っている。
………張り倒してやりたい。

社長、肩が小刻みに震えてるんで。バレてますから。



「さすが。飛向なら宮田に怯まないだろうって想像してたけど。」

「俺が? 怯むわけないだろ。操はこんなに可愛いのに。」

「ちょっと! 呼び捨てやめてくださいって何度も言ってますよね?!
そ、それに! 可愛いとか変なこと言わないでください!!」


慌てて憤慨する私をよそに、二人で声に出してケラケラと笑っている。
あぁ、こんなに腹立たしいことがあろうか。

神様、この二人に何か罰をお与えください。

天罰下ってくれ!! 

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