強がりウサギの不器用な恋

「大丈夫か?」

「……何がですか?」

「今、嫁さんと腹の子どものこと、想像してただろ?」


塞いだ気持ちになっていないか? って訊いてくれていたんだ。

けっこう海藤さんも優しいところがあると、最近そのあたりがやけに目に付いて意識してしまう。



「海藤さんが想像させたんじゃないですか……」

「荒療治っつーか、いつまでも逃げてちゃダメだと思ったんだが。……悪かったよ、泣くな。」


静かにそう言葉を発した海藤さんと視線が合うと、お酒が入って色気が増していることに気づき、心臓がドキリと跳ねた。


……まただ。
また、この男の色香に酔わされそうになる。


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