強がりウサギの不器用な恋
「いや、泣いてませんから。」
そこから逃げるように視線を逸らし、慌てて手に持っていたビールを煽る。
異国の地で飲むビールが、やけに私の喉をヒリヒリとさせた。
「俺には泣いてるようにしか見えないって。
実際に涙は出てなくても、心が泣いてるだろ?
前にも言ったけど、俺は真剣に泣いてる女は放っておけないから。」
海藤さんが私の隣に座り直し、頭をよしよしと優しく撫で始める。
ゴツゴツとした大きな手で触れられれば、奥底に秘めていた私の弱い心がむき出しになってしまいそうで。
―――― こんなのは、反則だ。