強がりウサギの不器用な恋
「初めてでは……ない、です。
でも、ずっと昔に一度しただけなんで……それしか経験はありません。」
高校時代に少しだけ付き合った彼氏と、一度だけしたことがある。
だけど、彼氏も高校生で、抱き方も自分が満足するだけの自分本意なもので。
痛くて痛くて、気持ちよさなんて微塵も感じなかった。
……そんな記憶しかない。
「……いいのか?」
もうほとんど始めてしまっているというのに、今更ながら海藤さんが訊いて来る。
「ダメ……ですか? 一度しか経験のない女じゃ……」
「ダメなわけないだろう。それにもう、俺もやめられない。」