強がりウサギの不器用な恋

「あー、悪い。こんなこと言うつもりじゃなかった。」


呆然と沈黙していると、急に海藤さんが視線を逸らせて額に手をやり、謝りの言葉を口にする。


だけどその表情から、まだ心の苛々は取り除かれていないのだと感じた。



「……全部俺が悪いから。
ほんとに悪かったよ。今朝のことも、……マレーシアでも。」

「…え?」

「ちょっと俺、昼飯食って頭冷やしてくるわ。」


デスクの上に置いていたスマホをポケットに忍ばせると、海藤さんは苛立ちを隠しきれない様子で出て行ってしまった。


事務所は私一人になり、静寂が戻る。

さっきの海藤さんの言葉は、どういう意味なのだろうと考えると、自然と溜め息が出た。



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