強がりウサギの不器用な恋
もしもこの先私と、同僚という枠を飛び出た特別な関係を作りたいと思っているなら、何か行動を起こすはず。
海藤さんは、そういう人。
だけど…そうじゃないのだから、私とはただの同僚に戻りたいのだと思う。
恋人になりたいなどと、決して彼は思っていないのだ。
「そう言えば社長、もうすぐお子さん産まれますね。」
何かの話の拍子に、私がそんな話題を振れば、社長は驚いて頬を少し引きつらせた。
それもそうだろう。
昨年私が社長にはっきりとフラれてからというもの、奥さんやお腹の赤ちゃんの話は一切したことがないのだから。
私も話を振らないし、社長も話してはこない。
お互いそれがタブーであるかのように、暗黙の了解的に。