強がりウサギの不器用な恋

だけど、ビルのエレベーターに乗り込んだとき、ゆらりと揺れたその感覚に、頭がふわふわして気持ち悪さを覚えた。


蒸し暑さのせいか、どうも今日は体調が思わしくない。

有沢さんにチョコを渡したらすぐに家に帰ろうと思考をめぐらし、エレベーターを降りる。

ボランティア事務所は、うちの会社があるビルを出て、横断歩道を渡ればすぐのところだ。


ビルの中から見えた歩行者信号は赤。
信号待ちをするために、ビルから出て数歩歩き出した時だった……。


エレベーターで酔ったのか。
気分が悪い上に、視界がグランと揺れだして、チカチカと点滅するように星が飛んだ。


その途端。
目に見える景色が全て、サーっと色褪せていき……

視界が次第に真っ暗になり、視野が狭まって。


私の身体が地面に倒れこんだ ――――


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