強がりウサギの不器用な恋
「な…何で、ここが……」
「住所くらい、調べればすぐにわかる。
ていうか、中に入れてくれよ。」
驚いたのは、実際に彼が玄関扉の前に立っていたことが大きいのだけれど。
考えてみたら、ここの住所は社長にでも訊けばわかることで。
…というよりも、だ。
彼が全身ずぶ濡れで立っていたこともプラスで、余計に驚かされた。
「傘持ってなかったから、濡れた。」
「入ってください。タオル持ってきますから。」
濡れた、なんてレベルじゃない。
頭の先からつま先まで、全身ぐっしょりで、髪から今も水滴がしたたり落ちている。