強がりウサギの不器用な恋

「俺がちょうど福岡で仕事を終えて帰ろうとしてた時、わざわざ電話で伝えてきた。」

「………」

「操は怒ってるけど、口止めされても教えてくれた真吾に、俺はすげー感謝してるよ。」


こうなってからでは遅いけれど。
昨日、退職についてはもう少し時間をかけて、社長を納得させることができたら良かったのかなと思った。


できるだけ早く、消えるようにいなくなりたい。
そんな気持ちが優先してしまって、事を強引に推し進めすぎたのかもしれない。


まさか社長が、その翌日に告げ口のような形で彼に言ってしまうとは思ってもみなかった。



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