強がりウサギの不器用な恋

「操、会社辞めるってどういうことだよ?!」

「え?!……どうしてそれを……あ!」


会社を辞める話をしたのは、社長と明未さんにだけ。
海藤さんに喋ったのは明未さんじゃない。それは絶対だ。

だとしたら……社長しかいない!


信じられない!
言わないでって、あれだけ頭を下げて頼んだのに。


「ありえない! 社長のバカっ!」


途端に憤慨する私を見ても、ピクリとも表情を変えない海藤さん。

それを見て、この人は今の私なんかよりもよっぽど怒っているんだと、逆に思い知らされた。

< 359 / 404 >

この作品をシェア

pagetop