強がりウサギの不器用な恋
「操、会社辞めるってどういうことだよ?!」
「え?!……どうしてそれを……あ!」
会社を辞める話をしたのは、社長と明未さんにだけ。
海藤さんに喋ったのは明未さんじゃない。それは絶対だ。
だとしたら……社長しかいない!
信じられない!
言わないでって、あれだけ頭を下げて頼んだのに。
「ありえない! 社長のバカっ!」
途端に憤慨する私を見ても、ピクリとも表情を変えない海藤さん。
それを見て、この人は今の私なんかよりもよっぽど怒っているんだと、逆に思い知らされた。