強がりウサギの不器用な恋

………だけど。

また、帰りのロープウェイが問題だ。


上って来るとき一度体験しているから、次は恐怖が少ないと自分に暗示をかける。

だけどそれは、ただの暗示でしかなく……
私は乗る前から血の気が引いて、嫌な汗が噴出しそうだった。


「うわぁー、もう……俺、また脚が震えますよ。」


西田くんが怖いとアピールすれば、社長が笑いながら背中をバンバンと叩いて大丈夫だと気遣っていた。


私もあんな風に、正直に言ってしまうことができたら……
少しは可愛げのある女になれるだろうか、と馬鹿げたことが頭を過ぎる。


「……操…」


現実逃避するように呆然とそんなことを考えていたら、すぐ隣から名前を呼ばれて。


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