強がりウサギの不器用な恋
「大丈夫だから、安心しろ。」
と、すぐには理解できない言葉を吐く男。
何がどうなったら大丈夫なんだか。
何の根拠があって? と、心の中で軽く突っ込まざるをえない。
だけど。
いざロープウェイに乗り込んだら、海藤さんが私を一番奥の隅に追いやるように誘導した。
そして、私の前を塞ぐように至近距離で立ちはだかる。
満員電車じゃないんだから。
そんなことをされたら、私の視界は海藤さんの胸元しか見えないじゃないか。
………あ。
わざと窓から遠い隅っこを選んで誘導して。
しかも、景色が見えないように私の視界を塞いでくれたということだろうか。
「あ! 海藤さんが宮田さんと二人きりになろうとしてる!」
視界は塞がれているが、茶化すような大林くんの声が聞こえる。