強がりウサギの不器用な恋

だいたい、私の夢というか希望する職業は『秘書』なんだから!

福利厚生も他の手当ても、産休や育休だってしっかりしてる大手の会社がいいって思ってるのに。


悪いけど、先輩がフラっと立ち上げた会社になんて誰が!

しっかり操縦していないと、いつ転覆するかわからない船のような会社なのに。



そう……思っていたのに………

結局私がその“操縦”を請け負うことになるなんて。


どうしてもその、転覆しそうな船を放ってはおけなかった。


その理由を考えてみたけれど、

どう考えても最終的に答えは一つしか出なくて。


「宮田に任しといたら間違いないな」なんて言われ、頼られるのが心地いいなんて。


私もおめでたいというか、頭がおかしくなったというか。


―――― この男の“魔法”は強烈だ。


< 95 / 404 >

この作品をシェア

pagetop