天才少女の復讐法。
泣いている理由はすぐに察しがついた。
あたしは床に落ちた教科書を拾う。
"蒼波 詩織"と
綺麗な字で書かれた教科書。
しかし、その字に被さるように
汚い字でたくさんの悪口が書かれていた。
"バカは学校辞めろ" "死んじゃえ"
そんな言葉が、教科書全体を
埋め尽くしている。
「………」
「っひっく……す…ませんっ」
彼女はあたしの手元から教科書を取り
慌ただしく横を通り過ぎていった……。