天才少女の復讐法。



………まるで、7年前のあたしみたい。


あの教科書を見て、
小学生の時の記憶が蘇った。


父が殺人容疑で指名手配された直後、
あたしは短期間だけ
祖母の家で暮らしていた。


祖母の家から学校に行くと、
あたしを待っていたのは……いじめ。


机や教科書……それだけじゃない。
家の壁にまで消えないペンキで

『人殺しの娘w』『学校来るな!』
『人間のクズ』『死んでしまえ』……


そんな言葉で埋め尽くされていた…。


「……っ…」


嫌な記憶を思い出し、
あたしは思わず顔を歪ませる。


< 196 / 619 >

この作品をシェア

pagetop